This is my first kiss


今朝は喉が少しおかしい。
そんなことを思いながら起きだすと、いつものようにキッチンからいい匂いがした。
俺が大学に通うために、部屋を探していたとき、高雅院が『くるか?』と誘ってくれた。誘われた俺に否はなく、二つ返事で高雅院と同じ部屋で暮らすことにした。
高雅院と毎日顔を合わせることができるというだけで、嬉しいし、生活に慣れてきた今でも高雅院がいるだけで満足していた。
しかし、喉の調子がおかしい今は、逆に少し危機感を覚える。
コレが風邪で、高雅院にうつりでもしたら…。
考えただけで鳥肌が立つ。
あぁ、今日はなるべく話をしないようにしなければ。
そう思いながら、キッチンにいくと、朝食を用意してすでに食べ終わり、新聞を読んでいる高雅院がいた。
今日も、かっこいい。
「おはよう、チカ」
そういって笑ってくれる。
おはようと返そうとして、声が擦れた。
どんどん調子が悪くなっている。
「…風邪か?」
頷くと、しばらく、高雅院は何かを悩んだあと、再びふ…っと笑って俺に近寄った。
なんだ?と思っている間に、俺の後頭部に手を当てて、口と口を合わせ………!
「それ、ラス一なんだ」
何が?と尋ねる前に、口にレモンと蜂蜜の甘い味が広がった。



「ファーストキスはレモン味って本当だったんだな…」
「いや、おまえ…ファーストじゃねぇだろ」
「高雅院とははじめてた」
「……高雅院、発展遅くねぇ?」
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