青い絵を部屋に飾って、毎日眺めた。
九月の、始め。
生徒会の仕事しかやってる覚えのない夏休み。
会長がブチ切れて暴れて、会計と副会長と補佐を連れてきて、馬車馬のように仕事をさせた夏休み。
休んだ気もしないまま、新学期。
ちゃんと正面玄関から久しぶりに登校した、その玄関ホールの正面。
久しぶりの登校に騒がしい生徒の声も耳にはいらないで、見上げる。
空のような、海のような。
広い広い青。
描いた人の名前はない。タイトルも見つけられない。
けれど、それは、きっと俺の部屋の青さに広がる。
なんだか泣きそうだ。
嬉しくて、泣きそうだ。
世界が広くて、俺の部屋に続く青さが嬉しくて。
そうだ、三谷に会いに行こう。
なんとなく、思う。
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