「金持ちのボンボンがァ!」
まぁ、間違いない。確かに金持ちのボンボンだ。
まさかこの学校にきて、金持ちのボンボンであることを攻めたてられるとは思わなかった。なにせ、何処をみても誘拐し放題選び放題な金持ちの集まりだからだ。
クラスでいうとSクラス。スペシャルの頭文字をとったいやらしいクラスから、Fクラス…これまたフェイルドの頭文字をとった、どうかと思う名前のクラスに移動。
とりあえず、生徒会役員がリコールされるとスペシャルに分類されるスペックを持っていたとしてもそこに落ちるのが普通らしい。
まず、落ちるという言葉自体どうかとおもわれるのだが、それがこの学校の常識である。
とりあえず、だ。
授業中。
しかも、Sクラスでは担当でなかった寺田先生の授業中に視界を防がれるのは非常に不愉快だったわけで、俺はいってやったのだ。
「俺の邪魔とかしてんじゃねぇよ」
ぐっとおさえつけて、自分のネクタイで拘束。あいてる席に相手のネクタイでさらに拘束。
授業中くらい静かにできんもんかね。
いや、いっそ、騒ぐくらいなら教室でてけ。
高校は義務教育じゃない。そんなに頑張りたくないなら辞めろ。
一応卒業しておかなければとか思うのなら、人の邪魔はするな。楽しくてもするな。俺のような人間もいるかもしれない。
寺田先生はこのクラスの担当をしているだけあって、動じない。
いつもの日向ぼっこ万歳の空気を壊さず、授業を行う。
ああ、癒される。
先生の古典にかける思いはうけとりました。
今度短歌読み上げにいこう。
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