俺がいなくても、学園生活はまわる。
ほらな、会長なんて責任あるやつがなればいいんだよ。責任あるやつが。
リコールされてニヶ月ほど。
彼女作って、遊びまくって、お気に入りの先生とお茶をしたりして…と楽しく毎日を過ごすはずだった。
学業はそれなりに成果をだして、学生生活エンジョイしてれば親父も何も言わないし、そうだ、まずは色ぼけよう。そんなことを思っていたのに。
「俺は何をまかり間違ったんだろうなぁ…」
元会長、うっかり不良たちのリーダーになる。って、笑えないだろう…。
「なるべくしてなったんだろう」
「いや、お前が引きこもってるからわりんだよ」
「俺はもう既にビップ扱いだからな」
確かに引きこもりの書記のいうとおりだった。
たまにやってくる書記はビップ扱い。
そして、毎日授業を真面目に出ている俺は一目どころか、全幅の信頼を置かれるリーダー扱い。
これは、俺がまともに授業を受けたかった。ということから始まる。
やつらは実にわかりやすい。
煩いから何処かへ行け。というより、俺という存在を認めさせればいい。
その認めさせる。という行為が殴りあいであったり、些細な男らしさであったりしたわけだ。
殴り合いは簡単だった。負けないほどの自信もそこそこあった。
わりと最近できた下界の友人にはまけるだろうが、書記とはいい勝負だろう腕っ節。暴力での制圧は完璧だった。
ここで放置してしまうと、あいつ、危険なやつなんだぜって遠巻きにされてしまうだけで、人心を掴むに至らない。ならばどうすればいいか。やつらの憧れ、または心酔する人物になればいい。
だが、今更俺を変えろというのは無理な話だ。そして、変えるつもりも毛頭ない。
それならば俺は俺らしく、会長やってた時分培ったのかもともとあったのかは知らないカリスマ性というやつを使って、やつらを陥落させればいい。
そんなことでうまくいくほど、世の中なんて甘くないだろうと、俺は更に駄目押し。フレンドリーさもそこそこ付け足して。
あいつ、あんなだけど、気取ってないし、かっけーし、つえぇし…みたいな印象を植え付けたのだ。
その結果が、不良どものリーダーとは。
とりあえず、やつらに言えるのは二つだけだ。
「俺の邪魔はすんな。そして、風紀が来たらもめるのメンドクサイし、委員長がかわいそうだから逃げろ。さっさと逃げろ。というか迷惑堂々とかけんな」
結局三つになってしまったわけだが。
アイサー!会長!
と元気よく挨拶してくれる連中。嫌いじゃないが、俺はもう会長じゃないし、会長になどならないからな。所謂リア充ってやつにはなってみたいがな。
野郎の壁が厚くて、女っ気皆無でも。
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