ひとりこと3



「やっと、君を見つけたのにどうして僕が秘密にしなきゃいけないのかなー」
「…できるだろ」
冷たいッと、そいつは言った。
「シギは別に君を殺したいとかそういうので探してるんじゃないんだよ?」
「前も言わなかったか?俺はあいつが傷つくことが怖いんじゃない。自分自身が傷つくことが怖いんだ」
「…別に傷なんてつかないよ。欲しいっていってるんだからさー」
いやぁ、愛だね。
なんとも複雑な執着を一言にする。
俺の謝罪も愛といった。
まったく面倒くさいやつだ。
俺は二つになった目を細める。あまりいいとは言えない目つきをに、おお怖いとわざとらしく呟かれる。
「でもさぁ…今の君は、嫌われる素養なんて外観にはないんじゃない?」
「…一つ言っておくが、大半の人間は好まない」
指は五本ずつ、右と左、足と手にあり、尾はなくなった。
耳は少し尖っているようにも見えるが、人間のそれと変わりなく、二つある。
体格は随分小さくなり、無駄にあったものがなくなった。
体毛は適度な長さになり、名前がある。口も小さくなっただろう。
声は篭らなくなったが、変わっていない。
「ま、そうかもしれないけど。シギはきにしないよー?」
瘴気を和らげるために多用しているアクセサリーが重なって音を立てる。
邪気を払うための葉を煙草のように紙にまき、ふかす。
「だって、どう見たって人間だよ?」
「だからといって俺がしたことが変わるわけでもないだろう」
「あと、力弱くなったよね。そのかわり、瘴気を利用して発散してるから、瘴気もましになった?でも、瘴気をつかってるせいで、邪気にすかれてる。君って何か難があるんだねぇ」
「力は、人間にやった」
そいつは頷くと、ニヤニヤしながら続ける。
「ていうかー、会わないくせに未だに近くにいるの?こんな苦労して?やっぱ愛でしょ?」
「…仕方がない。それでも好きなのだから」
「愛じゃん」
もしかすると、そいつが面倒くさいのではなく、俺が面倒くさいのかもしれない。

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