猫は鼠を逃さない。


エーとちゅー。
ふざけてほっぺとか手とかしたことはある。
でも、口はなかった。
のに、陽ときたら、キスしながら、俺を見やがる。
これでどうだ?はやくはっきりいえばどうだ?と。
陽は俺がエーのことを溺愛しているのを知っている。
俺がエーについて語ったから。
まだ俺、すきっていえてねぇのって笑うと、幼馴染はお節介をしてくれたようだ。
身を挺して。
それにしたって、ちゅーか。
とおもった。
ま、これでいいかと離れようとした陽に仕掛けたのは、エー。
陽が音を上げるまで、チューは続いた。
あ、テクニシャン。
なんて思ってると、すごく、陽が羨ましくなった。
陽、今、どう?きもちいわけだわな、それ。つうか、エー俺のなのに、どうして陽にキスしちゃってんの?そのキスも、俺のなんじゃねぇの?
っておもったら、とまんなかったわ。
ちゅーっていって、がっつり、うばっちまった。
「なぁ、エーって俺のだよな?なぁー、なんで俺じゃないの。そこ、俺で口直しだろ。もーこんなに好きなのに、なんで、俺じゃないの。つーか、今から口直ししよう。陽、おいしかったが」
「え、いや、俺だって好きですが。え、いや、口直し?いや、生徒会長おいしかったですが」
あ、陽がおいしいってのは同意見か。
いやぁ。生徒会長明日からケツ狙われるよ、やばいな?遠田、青くなってないで守ってやれよ。命令しておくか、あとで。
今はエーが大事なので。
「そ。すき?あいしてる?俺、すんげーあいしてんだけど。どうなの?すきなら…ちゅーくらいいいよなぁ?」
俺理論展開。
返事聞き前に口合わせて、楽しんだっていいじゃんって。
エーは最初とまどってて、俺が背中に腕回してちからいれた時点で切れたらしい。
あー…これは、陽もたまんなかっただろなーテクニシャン。
腰来る腰来る。あ、やべ、たった。
「…ん、ぁ…やっぱ、今夜は寝かせないでくれるか」
このまま押して初夜ってことにしてしまおう。
なんて、勢いだが、やったもんがちだろ?
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