リオラ先輩の報告を聞いて、理事長が学園長を…あはんうふんしながら、言ったことをまとめるとこうだ。
好きなようにしなさい。
あと、重要じゃないけど、うちの学園長って可愛いだろってことだった。手なんて出しませんよ、他人のリアル情事、ドン引きでした。俺。
アレなビデオとは勝手が違うというか、男同士って初めて見たというか、見ることもなかったんだろうにというか…そういう世界。
報告の間、言葉をくれてる間、学園長大変なことになってたんですけど。明らかに抜かずの何発とかいうあれ。合体部分から目をそらすのに大変苦労しました。なんというか、何が起こったの!?みたいな声だとか音だとかするもので。
ちょっとうっかりみちゃったけどさ。うう、グロい…。
「レント大丈夫?」
他人の心配してる場合じゃないくらいなんだけど、レントがすごくグロッキーになっていて、なんだろう、仲間意識というか。
「なんでアソコにアンナ凶器が…いや、なんで…」
ブツブツと青い顔でつぶやくレントは、うっかり見てしまってからずっと目をそらせないくらい固まってしまったらしい。バッチリ視姦したといったところか。…本人にその気はなくとも。
なんともつまらなさそうにしているのはリオラ先輩で、他人の情事に興味もなければ、恥じらいもなく、俺たちの反応を見てつまらなさそうにするばかり。
「誰も若さはじけねんだ?」
「はじけませんよ!」
何を期待してるんだというか、どこを見てるんだというか。
「はじけてくれてもよかった」
ちょっと残念そうに見えるヒースには気づきませんよ!
くそう、リオラ先輩の言葉を素直に聞くんじゃなかった。
おかげでヒースにオブラートというか、恥じらいというかがなくなってる気がする。もともとなかったのかもしれないけど、少なくともバレるまでは何も言ってこなかったのに。
「大丈夫。襲ってつくとこついといたら若さ弾けるから」
「いや、弾けなくていいというか、その手があったかみたいな顔しない!夜襲われたら、俺、どうすんですか、先輩!」
「いや、おとなしく舐めてもらっていれてやれば…」
「リアルですから!やめましょうよ!ほんとやめましょうよ!」
「ちょっと痛いくらいなら平気ですからというか、もえあが…」
「なんで、こんな変態だった!?ちょっと、レント後ずさってないで助けてくれても!」
レントが友達がいがないことに全力で首を横に振ってくれた。
そんな。なんか、今晩俺の寝室が戦場になってしまうじゃないか。
しかも、テイムした獣…ていうかケダモノだし、契約が特殊だから勝手に出てくるし、やばい、鍵をかけても簡単に入ってこれるというか…やばい。
こういう時たぶん味方になってくれるガルディオ先輩もいない。そして笑ってごまかしてくれるミハイル先輩は今現在、イチャイチャしているだろうことなので…。
「リオラ先輩…」
「あ?」
「泊めてください」
「嫌だね」
聞いてはみたが、やはりダメである。
人がしおらしくちょっと悩んで油断したらこれだから…。
これがわざとっていうのなら、俺もここで感動すべきなんだろうけど、これで素だからなぁ…。
俺が能天気なんじゃなくて、まわりの環境があれなんだよ。と言ってやりたい。
そうして、俺は学園生活へと戻った。
勇者とか選択とか、夢とか、そんなこと言ってる場合じゃない学園生活に。
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