プリティーガールからの脱却


有言実行ってさー…難しいよねー何しろ、俺、ふつーに授業出るし、センセーに怒られるのも嫌だしさっ!
まぁ、つまりだね!
避けてるし!すげーさけてんだけど!
昼休みはやっぱどうしても捕まっちゃって!みーたーいーな?
俺も捕まりたくなんかないよ!けど、チャイム鳴る直前に腕捕まれたら逃げられないしっ。
視線も合わないように前しか向いてなくて、呼び出されても無理な理由作って逃げてるのに!
俺の努力、台無しなんだよね!昼休み!
寝起きでもないのにさ。
「サクヤ」
って、俺の好きな呼び方で、今はちょっとなんか淋しそうな切なそうなというか。
やめてくれよ!気のせいって…気のせいって思うのも限度あるくらい、毎日毎日!
思っちゃうじゃん。
俺のこと、好きなんじゃないの?とか。
そんな声だされたら、俺も切ないっていうか。
思っちゃダメなのに、思っちゃうじゃん。
脳がさ、だって、勘違いしてるんだから、思っちゃうじゃん…
こんなん俺じゃないし。
避けてるとか関係なく、顔とか見れないし。
平気な顔で言われてたらショックだけど、辛そうな顔されてたら余計ショックじゃん。
そんで俺は可愛い彼女ときゃっきゃうふふじゃなくて、ちょっとかなりこわいけどかっこいい彼氏とお付き合いスタート!きっかけはあの日の夜の喧嘩から…
とか、マジ笑えないし!
でもさ、昼になるたびに思うわけ。そんで幸せならいいかなってちょっと思っちゃうわけ。
いいわけねぇよって、それどこまで本気なのかとか考えてる。
もうさー、恐怖の大王とかさー、世紀末とかさー、可愛い彼女とかさー。
どうでも良くなってきてる気がするんだよねー。せっかく、怖いのに避けてきたのに。
「サクヤ…」
ほらこうやって、呼ばれるだけで。
俺は乙女真っ青な乙女思考でぐるぐるぐるぐる…
「飯」
一緒に食おうって言われてるわけでもないし、脅してるわけでもない。もう知ってる。
なのに、従っちゃうし、反応しちゃうし。
あぁ、雄成がそろそろくるなーまた、遠慮なく見られてため息つかれるんだろなぁ。
あきらめたらいいのか。
もう、何を諦めたらいいのかわからないのに。
たぶんさ、横向いて、恐怖の大王と目を合わせるコトからはじめろってことですよね。
だってもー考えるのも、抵抗するのも疲れたし、脳の勘違い正そうとするたびに心臓病気なんじゃねぇの?ってくらい痛いし。
なんかもう、いっそ止めさして楽になりたいとか、そんな心境?
久しぶりにぎこちなく振り替える。
だって怖い。
アキラ氏を無視しつづけたことに対するアキラ氏の態度も怖いし、アキラ氏がこうやってるのが演技でも怖いし。………実は嫌われてても怖い、し…
振り返ったら、少し不安そうな、それでいて不満そうな顔をしていたのに、ゆっくりと嬉しそうに、見たこともない顔で笑われた。
なんだちきしょう可愛いな!
もうさ。
認めます!
だって、可愛いし、かっけーし!なんかもう認めます!
正直、好きな人の性別解らなくなるくらい可愛いと思ってます!
こんなん見たらさ、なんかさ。男として息子がちょっとゴホムグって感じっつか。
心臓が別の意味でいたいし、忙しないし。
すごく言ってい?
認めたしいいよな!
正直、つっこみたいです。
や、その、今まで突っ込まれてきましたが!
びびってそれどころじゃなかったし、力的にも、経験値的にも負けが見えますが!
いれ、たいです!
やべ、これ、しーんゆうに相談だッ!
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