恋のワンツーレッスン


要約するとっていうか。簡単に簡潔にいっちゃうと。
俺は、アキラ氏が好きになっちゃったみたい、テヘッ☆でね、アキラ氏って可愛いと思うの。俺の息子がうなってんの。どうしたらいい?エヘッ☆
ってことなんだよね。
と、雄成閣下にお話申し上げたわけです。
雄成閣下は、ただ、俺の肩をぽん…とたたきなされて。
「オマエも、男やもんな…」
とか、おっしゃいました。
うん、俺も立派な高校生男子なわけです。
恋をしたら周りが見えなくなったり、可愛くないものも可愛いといいだしたりするわけです。コレはもう、高校生男子でなくても、俺でなくても、そうなんじゃないかなーと思ったりするわけです。
少ないながらの経験からいうと、そんなわけなんです。
で、俺は、素直に、もう、認めちゃったからには素直に申しますが。
アキラ氏は激烈に可愛いと思うわけですよ。
開き直りって人生を楽しくする上でとっても大事な要素だと思うんですよ。
たとえ、アキラ氏が男であっても、まぁ、そんなこともあるんだと思うことにしました。
気持ち悪いとか世間がどうのいうまえに、もうすでにさー!あれじゃん。がっつんがっつん世間から離れたと申しますか、な、行為をしてるわけですよ!
だから、まぁ、正直。
今更!?
気持ちがあるかないかって大事だけど、世間からの見られ方は表面しかみないならほとんど一緒なんじゃねぇえのおおおおってのが俺の結論です。
それに、もう、考えてもしかたないっていうか!
仕様がないって言うか!
先のことって考えるべきなんだろうけど!たまに、止まらないというか。そういうの、考える前に走っておけばいいじゃないっていうか。
そんな気持ちになったから。
だから!
アキラ氏が、もう、こういってもいい。
すげー好きなんです。もう、大好きなんです!
でも。俺は、アキラ氏がいくら強くとも怖くとも、何度も言うようにチェリーのままは嫌だってくらい…その、マジ、正直に、しょーじきにお話すると、穴があれば入りたいと!息子的なものは、穴があれば入りたいと!
入れられるのは、気持ちよくとも本望ではないのです!!!!
入れて、気持ちいいと思いたい。
これ、なけなしのプライド!
それに、アキラ氏まじ、かわいいんだよ、襲いたくなるよ。あんな切なげに人の名前呼んで、わらうだなんて!
「どうすればいいですか、閣下」
「…正直、今のままでは勝ち目はない。が、しかし。あちらさんが、おまえにベタぼれなら話は別かもしらん」
「と、いうと?」
俺が聞き返すと、雄成は手を組んで口元を隠し、眼鏡を光らせた。
演出充分です。その、のりがいいところ、大好きだぜ心友よ。アキラ氏の次くらいにな!
「なんだかんだと、あれの手からオマエは逃れている。これはどういう意味かわかるかね、サクヤくん」
「俺が強くなっ「万に一つもないやん」…わかりません、閣下」
「それはだね、サクヤくん。強引に手を出してチミに嫌われたくないということをさすんだ。解るかね、サクヤくん」
「……それはちょっとあれですか、閣下。アキラ氏も、俺のこと…俺の……」
ちょ、え、ちょ。
あの、いや、なんとなく、そんな気がいたしますが!
俺、こう見えて…つか、まんまかもしれませんが!
両想いと言うやつになったことがないので、強くいけないんですが!
「まぁ、そこは。人から教えられるというのは無粋というものではないかね、サクヤくん」
「ああ、はい、まぁ、かもしれません、閣下」
「というわけで。とりあえず告白…されることから始めなさい」
「え」
「告白すると、こっちのがベタ惚れみたいではないかね、サクヤくん」
「し、しかしですね。男としては、その」
「気持ちはわからないでないがね」
再び眼鏡を煌かせる雄成。
俺は息を呑む。
「チミはそんなに器用ではない。俺が保証してやってもいい。だから、サクヤくん。雰囲気に流されないこと、何が何でもはぐらかすこと、態度を変えないことを要求したいところだが、意識するとますます無理だろう、違うかね、サクヤくん」
「驚くほど、ちがいません、閣下」
雄成のいうことはいちいちもっとも。
ちょっと、俺、へこんじゃったよ…。
「だから、今までどおり、避けなさい」
「え」
「避けて避けて避けまくりなさい」
……難しくないですか、閣下。
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