前回のお話。
びゅりほーわんだほーいっけめぇーんなサクヤは、ちょっとかっけーかもしれない不良にからまれて、けちょんけちょんに………
できるわけねぇだろっ!ばかっ!
無糖のコーヒーがこぼれそうでピンチです。
こんにちは!皆さんのサクヤだよ!わっせろーい!
屋上とか遠くね?不良ってどうして屋上行くの?てか、購買のおばちゃんがじみにやさしくてービニール袋に昼飯いれてくれてさ!ありがとう!おばちゃん!いや、お姉さん!!
そんなわけで、一番難易度が高いのはこの無糖のコーヒーなわけだ!
うちの高校には缶の自販機なんて言うもんは一切おかれてない。
紙パックでエコ☆つーか、紙パックのが捨てやすいとかゴミになんねぇとかそんな理由だったと思う。
んで、紙パックにはよくあるわけですよ。
お茶以外は甘い飲み物。
ちょ、無糖ってあれよね?砂糖なし!甘さよサヨウナラなわけですよねっ!
そうなると、細かいことができる紙が出てくる自販機っつったら、あれだよな!
紙コップにその場で入れてくれるタイプの!
ばかばかっ!
購買は一階!ちなみにA定は食堂だから地下!さらにいうとアホ学校だけど築年数だけは長い、我が学校。建築法にしたがってエレベータを設置する義務はなかったわけで。
俺はもう、さながら地下から最上階までアドベンチャー!
ただ買ってくるならまぁ、ほら、戦争に勝ち抜きさえすればねいいじゃんね。
けど、紙コップいりのコーヒーがまけそうです!
遅いってボコられないためにも俺、チョー必死!
たまには空気読んで心友!!
やっとたどり着いた屋上でにこにこ俺を迎えやがってコンチクショー!
「あ、ありがとーはい、コレー」
五百円とコーヒーが交換されました。これはあれか。釣りか。
「釣りはいらねぇぜ!」
ちょっとキメ顔ぽいかんじで言われ申した。
うれしいが何か違うぞ親友よ!ちゅーか、きまってないぞ、親友よ!
「メシ」
あ。すま、すませ、今お渡しします!
しますからそんな、目で殺さないでください!
へへーって渡して雄成の近くまで寄ったら、またも五百円がチャリーンと。ぼ、募金かな?
「メシ代」
あ、明らかに足りてませんが、俺様神様お客様アキラさまぁぁあぁぁああ!
「あ?」
す、スライディング土下座あぁあぁああぁぁ!!
なんちゅうかもう、ごめんなさぁあぁああいっ!
舌打ちとか舌打ちとか………あれ?舌打ち誰がした?アキラ氏がいた方向から音しなかったぞ?
「…これ、足りなくない?」
こころのともよーぉーお!
いつにも増してまっとうだ!そんですげえ不機嫌じゃないですか?見たことないくらい眉間にしわ寄ってるぜ!今なら十円挟めるねっ!
「佐藤くん貧乏なの?」
言うに事欠いて!
けど怒ってらっしゃる雄成さんは、さらに空気読めない!残念ッ!
「はァ?」
く、雲行きあやしいっ
ちょ、俺死んだ!視線で刺されて死んだ!だから、もうやめてくれ親友ッ
「アキラ、…それと、市橋さんも、昼はそんなに長くない」
京一さんって何げにマイペースだ。ちゃっかり飯食ってる。確かに昼休みそんなに長くないけどさー…
「チッ」
今度こそアキラ氏が舌打ち。ってことはさっきのは雄成か…まぁ、雄成は空気読めないし、天然だけど、ちょっぴり男前なところがある。認めたくないけど、俺より背高いっつか。こんなかで一番背の高い京一さんに迫るもんあるし。
でもなんっつーの?長いって感じ。高いんじゃねぇの。
と、思いはどこかに飛びつつあった俺の手をとって不機嫌なまんまの雄成は屋上から学校内へ。
「ゆ、雄成!」
俺がわけわからないままになっていると、いつのまにか教室に戻っていた。
「サクヤ!」
「は、はいっ!」
不機嫌な雄成は何か迫力があって、俺、ついついビクビクです。
「取り戻してくるから待っててね!」
え、何をですか、雄成さん!まってまって!危険を顧みない雄成さんはおっとこまえですが!
それ、雄成さん大丈夫なんですかっ!
「じゃっ!」
じゃっ!ってなに!?じゃっ!って!つーか、雄成何げに足はえーよ!ついてい
けねぇよ!うおー陸上部とか昔入ってた!?うちの近所に引っ越す前何してたかいまいちわからない雄成くんっ!
もう、俺はついていけないぜっ!
しかも、そっち屋上じゃないよね!なんなの?なんなの!?
よくわかりません!
「あ、サクヤはちゃんとご飯たべてねー!」
遠退く声がすごくのんきです!
だが!俺は!
遠慮なく食います!
屋上から誰も下りてくる気配ないしな!