悪魔でゴールド



マネージャーから言われた。
この中から、ボディーガードを選びなさい!
面倒くさかった。正直な話、誰でもよかった。誰がなっても一緒だ。ボディーガードなんて誰でも、一緒なのだ。
…一人をのぞいて。
思えば、俺が付け狙われる引き金をひいた男だった。
高校三年のとき、俺は貞操を狙われ、それをことごとく守り、貞操どころかファーストキスもないままに、俺は大学生となり、ストーカーに悩まされ、挙句、両親がそいつを連れてきた。
すぐに末恐ろしいことをいうし、俺が弱音を吐いて妥協しようとするとそれを逆手にとるし。
気が抜けねぇ毎日を過ごした俺。
完璧すぎる俺を、まさか大学生になってまで通し続けねばならなくなった俺。
あの男に、ダメな俺ってのは見られ放題しているはずなのに、できるだけ見せたくは無い。
なんだかんだ、結局俺を見捨てず見守り、心配してくれるやつに、感謝もすれば、早く、俺はもう大丈夫なんだ。って見せたかったわけで。
俺はあいつがいなくなるまえ、人目にさらされても大丈夫なんだぜと、モデルを始めた。
天性の才能がどうのとかで、やたらうまくいった。
それで安心したのか、なんなのか。
あいつはあっさり海外にいった。
あいつがいなくなって、無駄に広い部屋で、あいつの名残がある部屋で。
なんで、俺はモデルなんてやってんの?続けてんの?と思いもした。
親父の会社は世襲じゃなくて、他のやつがつぐんだから、俺はモデルを続けられていた。
でも、なんで、モデルなんて続けてんだって、おもい続けた。
思い当たったときには、すでに遅い。
あいつ、何処にいるかわかんねぇし。
仕方ねぇから、何処に居ても、俺が大丈夫だってみせたくて。
トップモデルとかに上り詰めた。自分でいってはなんだが、健気だ。
俺はストーカーだの変質者だののせいで、恋愛は難しいんだとおもってた。
実際、そのせいで、性的な目で見られんのは本当に、もう、勘弁してもらいたい。
けど、恋愛が難しいのは、何処にいるかよくわからん誰かのせいだ。
三年間も。
しかも、一番参っていたとき、守られて。
なぁ、惚れないのって難しくないか?
気がつかねぇ事にしておいたんだ。見えないようにしておいたんだ。
そうでもしねぇと、俺は、また、振られるかもしれないだろ?あいつが、他のやつと幸せになっちまうかもしれないだろ?
高校卒業するまで振られ続け、人の恋愛ばっかりみてきた俺にとって、それはもう、トラウマで、そうなることは普通だ。
いままで、今度こそは今度こそはとおもってた。
次があると思えていたから。
でも、今度は、次なんてねぇよ。
あいつ以外は、たぶん、……怖い。
それをおもうと、無理だ。
あいつに振られるのなんて、無理だ。絶対無理だ。他のやつと幸せになってんのみて、羨ましいな。ぐらいじゃすまねぇ気がした。
あいつがいなくなって、寂しい思いもしたが、これ幸いだった。
俺の視界に入らなければ、俺がわかるところに居なければ。
俺はあいつが他のやつとどうにかなってるだなんて、知らなくてすむわけだから。
だから俺は、ボディーガードなんてどうでもよくて、じゃあ、真ん中の。とかそういう、見もせずに決めたのに。
「あら、ちゃんと考えたの?あなたと同じ学校出身の子じゃない。あら。大学も一緒だったのね。もしかして、仲良かったの?」
都賀彩華(つがさいか)。
名前を呼ばれるのを死ぬほど嫌がった風紀委員長。
俺を三年間…守り続け、俺の一つ目のお初を事故ながら持っていった野郎。
今にしておもえば事故とはいえ、いい思い出だな。
だなどと、思い返して現実逃避しつて、項垂れる。
どうすればいいんだ、畜生。




悪魔でシルバー
都賀彩華
すぱーんと海外に行ってしまった。
ストーカーさんからたまに連絡が来る。
なんだかんだでほだされまくり


悪魔でゴールド
御堂新
男らしい名前のわりに、やることがたまに女々しい。
トラウマにトラウマを重ね、都賀大好き状態。
早く打ち解けてください。

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