校内新聞は突然に


皐月祭のさわぎが収まらないまま…というか、そのあとすぐ、中間テストだった。
皐月祭後すぐということもあって、テスト範囲や、テストのことに触れるのは、すごく早い時期からあった。…あったらしいけど。
それでも、なんか、先のことだしいっかーなんて思っちゃうのは普通だと思うだろ?なぁ、思うだろ!?てか、テスト勉強なんて、真面目にやったこともねぇしよ!
まぁ、ほら、そんなことより、皐、マジですげーんだ!歌うめぇというか、のりのりというか。つーか晃二も…………そうか、誤魔化しきれねぇよな。
赤だった。
最高得点でも二桁とれない。
それでも俺らのクラスはテストを優しくしてくれているらしいし、皐月祭後初めてとなる中間テストは優しいつくりになっているらしい。
まぁ、結果は、最高得点二桁なしなわけで。
それに愕然としたのは、俺じゃない。
もちろん、尚でも、しゅうちゃんでも、恭治でもないし、皐でもない。
「総長、正直ヒくっす」
遠い目をした十夜と、俺のテストをしげしげと見た遼だった。
「これは…ひどい…」
あまりの様子に、さすがの俺もなんだか申し訳なくなって、他に話かける。
「そういう。おま、おまえらどうだったんだよー」
ぐにゃぐにゃのふにゃふにゃなまま俺の目の前に誇らしげに点数表を出したのは恭治だった。
「ばばーん!!ギリセーフ!」
「んだと…!?お前は、俺の仲間だと思ってたのにッ!」
しゅうちゃんはなんだか可哀想な顔で俺たち二人を見る。
どっちにしろクラス平均には届いていない。
つーか頭悪いクラスといわれているのに何故か、平均点が高かった。なんかもう、Cクラスとかより高かった。
何故だ。
…その疑問に答えたのは尚だった。
「あー…期末より中間でとるほうが楽だから、中間には力いれたほうが良かったのに。だから、Dクラは皐月祭で出し物しねぇんだよ…」
しゅうちゃんと思わずため息をついた尚は、クラス平均なんて軽い点数をたたき出していた。クラス最高得点…とかではなかっただろうか。
しゅうちゃんはしゅうちゃんで、ちゃんと平均前後の成績を確保している。もちろん、赤ギリということはない。
「中間と期末の合計で夏の補習決まるし、な。再テストは一応あるんだが…期末はなにせ、夏休みがかかってるし」
何ソレ!?
再テスト…はしかたないとして!なにそれ!
夏休みの補習とか!そんなもん、ブッチだろ!?
「…総長、もし、補習に出ないなら再テストで点をとらないと卒業できませんから…」
俺の思考を読んだのか、遼が呟くように言った。
なんと…!
「え、でも、それ、補習さえ出れば卒業はできますよとか?」
「再テストは赤を抜けるまで繰り返されます。休みの間中、です。そのテストのうちすべて行って、補習をすべて受ければ温情で単位をもらえることもあります…金を払いさえすれば卒業できるといわれるD組ですが、それは本当に金さえ払えばという仕組みなのではなくて、教師が余分にきた分の給料をはらえば、卒業できるまで頑張りましょうか。という仕組みなんです」
どうやら、雅孝さんは、本気で俺を谷へ突き落としたようだ…。
教科書開いたら落書きするか、寝るかしかしねぇっての!
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