午後の競技は、三色リレーまでゆるやかーにすすんでいくというか…。
とりあえず、さらっといってしまうと、パンドラの箱では、どうしてそんなものを借り物にした…という借り物ばかりが出て行く中、白組の人が強運を発揮してすごくいい感じに点をとってくれました。
竹取物語では、青組が勝利。もうね、チームリーダーでてる時点で、青組のやる気が違うんだよね。
ちなみに我が校では一つの競技で一人チームリーダーが出てると、勝つジンクスがあります。二人出てたらぶつかるからそんなことはないんだけど。
1抜けでは、元会長がやはり1抜けしました。
勝者は一人の1抜け。借り物競争ではあるんだけど、借り物が特殊で、借りるのは物ではなく人だけ。
これがまた微妙な指定で、証人がふたり必要になるっていう。
会長が引き当てた籤は『親友以上恋人未満』。連れてきたのはトノちゃん。証人は俺とお兄様。
トノちゃんよかったね!元会長ちゃんと意識してくれてるよ!俺は敵チームだからって、違うとは言わないし、兄上だってもし敵チームであっても頷いていることだろう。ちなみに、トノちゃんはこの籤の内容を知らない。高雅院さんが秘密な?っていってたから、俺と兄上はニヤニヤしながら黙っておきました。
俺の屍を越えて行けですが。赤組が勝利しました。青に勝利させまいと赤と白が結託して、そのあと頑張った結果です。はっは。俺は出てたけど?三色リレーのために力は温存させてもらいました。
さて、注目の三色対抗リレー。
正直これが一番の目玉で、一番の盛り上がりをみせるわけですが。
走者をきいてびっくりしました。
赤の第一走者南くん…前さ、決闘した子。陸上部の子だよね。足速いんだよこれが。第二はバスケ部の子だったかなー?第三走者さっちゃん、第四走者遼ちゃんって、おいおい、赤のリーダーとサブリーダーはアンカーとかに納まらないのかよ。第五と第六走者は陸上部。やっぱり、リレーは陸上部とか目立っちゃうよねー。
白は第一走者がきょうちゃん。あの子のやる気が持続するように、第一走者です。第二、第三はバスケ部。第四走者がハルルン。こうやってみると、お調子者ばっかり白組にいるよね。第五走者も硬派にみえて腐男子のトモちゃんでは…。お調子者ばっかりだよ。アンカーはもちろん俺です。
青…が、ちょっとまってくれ。といいたくなる走順だったんだよねー…。第一走者がサッカー部、第二走者がバスケ部、第三走者がなんと今田修平くん。あの子運動ごとだと結構でてくるよねー。第四走者が水城。その時点でええ?なんで?なかんじだったんだけど。第五走者が兄上で、アンカーが高雅院元会長様だよ?いじめかな?なんとなく、元会長が青ってきいたときにそうじゃないかなって思ってたけども!
俺もゴボウ抜きとかそういう熱い展開無理なんで。チームメンバーに頑張ってもらいたいんだけど。元会長がアンカーだって知った瞬間に下がっちゃうテンションってあるみたいでさー。正直俺も、下がった部分もあるんだけど。でもね。
「元会長がどんなもんよ?俺の無敗伝説に箔つけてやろうじゃん」
って言ったら、チームメンバーは嬉しそうに笑ってくれた。そうだ、最後に会長に勝って、いい思い出つくろうぜって三年生もいってくれた。
同じく士気が下がっていた赤組も、さっちゃんが何か一言いっただけで、うおおおって雄たけびが…って、何いったの、さっちゃん。何か、もうむしろその一言伝説になるんじゃないの?
そんなわけで、やる気まんまんで迎えた三色対抗リレー。
列に並びつつ溜息を一つ。
ああ、やっぱ、高雅院元会長様がお隣にいるよ。なんてこったい。
「欝そうだな」
「何もここで決着つけに来なくてもいいんじゃまいか」
「此処でなくてどこでつけようっての、うちの弟様は」
「まったくだ、ここでなくて何処でつけるんだ?チームも負けて、個人でも負ける。完膚ないだろ?」
元会長が何気なく酷いこといってるし、兄上どのも何気なく会話にまじってますよ。
まぁね、巻き返しできるほどに留めて白組、実はリレーに勝利がかかってるんだよね。ま、それは赤も青もそうなんだけど。
白はビリか優勝かしか残ってないんだよね。ここで二位になってもビリなの。
だいたいリレーの配点が微妙ってのもあるんだけどさ。
「でもねー俺の生徒会としての仕事で始めての仕事なんでねぇ。勝たせてもらいますよ」
なんて、そうは言ったけれど。
本当のところね、俺は元会長にもお兄様にも勝ちたかったわけ。
兄上は勝ち負けでものごとを判断しないひとだから、勝つか負けるかだけの勝負事ってあまりしない人なんだよね。だから、背景に賭け事があっても、こうしてリレーに出ていることが不思議だし。
元会長とは一対一でぶつかったことがないので…いや、リレーも一対一ではないんだけど。それに近い形だし。
勝負事、なんだかんだ好きだしね。






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