『ふはははは!たった今、我らが2Aギャングがこの街の放送局を占拠した。これより、侵略を開始する。とりあえず、十時ジャストをお知らせするとともに、祭の開始を宣言してやる』
というわけで、遼ちゃんがちょっと棒読みぎみに2A企画の『この街は、2Aギャングが占拠する!』の開始および、街ぐるみ、合同文化祭の開会を宣言しました。
体育祭よりもバタバタと準備をし、本番を迎えた文化祭。
学園の2Aの連中は皆スーツにサングラスという姿で、玩具の銃を携帯して街や学校を闊歩しております。
俺は、黒のスーツに赤いシャツ。ノーネクタイで、銀のアクセをたくさんつけて、俺様マシンガンという名の水鉄砲をもってたり。蛍光塗料の安っぽい感じがまぶしいぜ。
そのせいなのか、なんなのか。学院側の生徒さんが俺を見かけるたびに、番長久しぶり。とか、番長相変わらず。とかいってくれるんだけど。いいかげん番長呼びやめてほしいねぇ。不本意。
そんな俺ですが。一応文化祭の進行をみたり、警備をかねて学校歩いたりしてます。
街のほうはね、街側でやってくれるから。俺は主に学校を練り歩くのが仕事というかね。
2Aの企画ではじける以外は生徒会でお仕事なのよね。おほほ。お休みが欲しいです。
「うーす、1D諸君。ギャングパープルさまのご視察だぜぇ?」
一日目なのに、1D諸君は頑張ってる。始まってすぐなのに、お客さんが早くも入っている。
客引きとかがいいのかねぇ。
ちなみに、この合同文化祭は一日目も二日目も一般公開。
なんか、そのせいなのか、まーいとし、バタバタしておわっちゃうんだよねぇ。
「いやぁ…それにしても、ここの教室、髪色派手ねぇ。俺がうもれちゃーう」
「ははは、それはないから、安心したらイイヨ、コウくん」
教室内をぐるっと眺めていた俺に、片手にプレート二枚を乗せ、運んでいく戸田家の末っ子が首を横に振ってくれた。
そんなことないと、言い切れないよなぁ。俺も。
なんておもいつつ、首を傾げておく。
「そうかしら?」
「そうよそうよ、そうなのですわよ」
と答えてくれたのは今田くん。何気に、1Dのリーダー的存在なんだよね、今田くん。その上のりもいいんだよね、今田くん。そして、髪の色グリーンだよね、今田くん。目立ってるよ。
「それはきっと、この俺様マシンガンのせいね」
なんていいながら、あらかた1Dをチェック。何もないようだ。うん。
「それのせいだけとは…」
何か残念なものを見るような目で、後輩二人に見られました。いや、わかってはいるけどね。
「ち、ちくしょう!そんなこといったって、カフェオレの一つも頼んでやらないんだからねッ!」
ツンデレ風にいいながら、本当に、カフェオレ一つも頼まないで、此処は俺たちが2Aギャングが占拠した!シールをこっそり1D教室のドアにはって、俺は退場した。
このシール。今日一日で学院と学園の出し物全部に張ることになってて、2Aは一日目、この作業で手いっぱい。まぁ、実のところほとんど練り歩くだけっていうね。
街には明日貼りに行く予定。
2A軽いコスプレして練り歩くだけじゃん。って思っちゃいけない。一日目はそうだけど、二日目は一応色々やるんだから!
さて、そんなこんなな2Aギャング。
町内放送は遼ちゃんが制圧してしまったため、風紀委員会および、合同文化祭警備班本部になってたり。
学園放送室も実は東海林君が掌握しにいってくれてたりと、色々なところにお邪魔させていただいてます。
もちろん、我らが生徒会長・灰谷皐様により文化祭実行委員会もすでに掌握済み。
もっというと、学園側の文化部も掌握済み。昔の権力を振りかざしてみた…とかなんとか。
俺も、昔からの知り合い総動員で、学院側に協力者を置かせていただきまして、わりと楽々手のひらの中に。
…という感じで、皆に協力してもらってます。
制圧だとか掌握だとか占拠とかっていうのの口裏あわせ、してもらってます。
運動部には、運動部所属のやつらや、協力的な人をつのって、頑張ってもらってます。
まぁ、特にたいしたことではないのだけれど、2Aギャングをみたら、見守ってあげてください。程度なんだけど。
そもそも、なんで、ギャングなの?って話だよね。 そこには特に意味はないんだけど。
クラスの連中がどうしてもやりたかったというかやってもらいたかったというかなことがあって、それは二日目にやるんだけれど。それをするなら、どうせなら派手にちょっと感動的にやろうぜって、こうなっちゃったんだよねぇ。
盛り上がりすぎてギャングになりましたっていうね。
いやいや、そのノリ、大好きだよ?






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