文化祭は突然に。


文化祭一日目、なんか何時の間にか晃二にステッカー貼られてて、やられたーなんて言ってるシュウちゃんと裏方当番。
つっても皿洗うくらい?
料理つくったり、ドリンクいれたりするのはそういの慣れてる奴とかウマイ奴とかが担当してる。
晃二が見回り来てたときとか、俺、売り込み?してたんだけど、やけに色んな奴に見られた。
特に学校外の人から。
人形みたいとか、かわいいとか…人形みたいとかは、まぁ、百歩譲っていいとしよう。かわいいは…なんで、俺可愛いとか言われてんの?一緒に外出た恭治はカッコいいとか言われてたんだぞ!
でも、みんな評価ってのは正直で、あの人遊んでそうだけどカッコイーってかんじのこと言ってた。
いや、まぁ、うん…恭治遊んでるもんなぁ。解るもんなんだなぁ。
「…きもちいーならなんでもいいよー」
てのが、それ聞いて言った恭治の言葉。
恭治、病気とストーカーだけには気をつけろよ…。
そんなわけで、文化祭が順調に始まった。
ほんと、この学園お祭り好きだよなぁ。
委員会でバタバタしてる奴らも、あますことなく祭りを楽しむ姿勢ってのがあって、休憩中は色んなところに現れるし、休憩前のやつらに差し入れもってったりとか。
そういうのを、休憩して、見ながら、俺は色々回ってた。
学校内だけじゃなくて、街もお祭り騒ぎで、隣の学校もお祭り中。
何処を歩いても祭り、祭りで大騒ぎ。
「すっげぇなぁ」
「そりゃすごいよ、すけちゃん。ここにいて、楽しまない奴はモグリとか言われるまつりよ?学院とか学園の売りで、しかも、街じゃ、観光のカナメみたいになってんのよ、この祭り」
なるほど、どおりで人が多い。
家族で写真撮ったり、気ぐるみの人と写真とったり、看板の中顔突っ込んで写真撮ったり、外灯の写真撮ったり…ん?外灯?
「お?あれ…」
シュウちゃんが何かいう前に、外灯の写真を撮っていたおっさんが、俺たちに気がついた。
「お!少年、夏ブリ!元気してた?悩みは解決したかい?」
いい顔で、手を振ってくれた。
テンションたけぇなぁ。
と思いつつ、俺も手をふり、近づく。
「悩みは、これからも考えてくことにしました!あと、スゲェ元気!」
「そっかそっか、元気か、少年。元気なら何事もオーケー」
「おう。あ、そうだ、相談のってくれて、ありがとうございます」
のってくれてっていうか、うん、のってくれたんだよなぁ、あれは。
俺は勢い良く頭を下げる。
夏に俺のドリンクを持っていったおっさんは、にこっと笑って、俺の頭をぐしゃぐしゃにした後、シュウちゃんに手を振った。
「じゃあな、少年!たぶんまた会うよ」
おっさんは、笑って、颯爽と去っていた。夏の時みたいに。
「相変わらず嵐みたいな人だな…」
とシュウちゃんがポツリと呟いた。
「あ?知り合い?」
「ん。戸田の親父さん」
「へぇ、戸田の…尚の…親父、さん…?」






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