そんで、失敗をする俺。
だってよおおおお、部屋、部屋じたいには辿り着けた!
でもよ、カードキーはあいつらが持ってたままじゃああああん!!!!
でも、もうかかわらねーんだってば。
何度も言うけど、決闘無理だしな!!
ここは同室者にあけてもらうしかない。
俺は、ドアの隣にいすわっているインターフォンを押す。
インターフォンの大分上のほうについている表札をみる。
俺の名前と戸田尚(とだなお)という同室者の名前。
出てこない。
もう一度鳴らす。待つ。…出てこない。
俺は、気が長くない。気が長かったら喧嘩なんか売らないし、たぶんそんなこんなで族の頭とかにもなってない。
そして、インターフォンで三三七拍子。
「るっせぇ、黙れアホがッ!」
ドアを開けたのは、見事なソフトモヒカン。
なんか失礼なこといわれてるんだけど、今はそれどころじゃねぇーよ!
なんだよ、また不良かよ!?お坊ちゃん学校嘘だろコレ!
しかも、おい、また美形だ!
雅孝さん、顔で生徒選んでんじゃねぇの!?しかも何、この人ツートンヘアーだよ!なぁ、風紀仕事しろ風紀!
あ、でも駄目だ、あいつらもカラフルだ。くっそ、むしろ学校なんとかしろ!!!
「……」
ツートンは俺を見て、しばらく沈黙した。
俺を見たというか、俺の髪をみた。
「おい」
「んだよ」
すげー素でかえしてしまったのは、なかなか出てこなかったこいつがわるい。
睨みつけてしまうのも仕方ない。
「それは天然ものか?」
「髪か?そうだけどそれが」
どうしたと言われる前に部屋に引き込まれた。
おいおいおいおい。なんなんだなんなんだ!?
わしゃわしゃと撫で回され、髪を軽く引っ張られ、最終的に髪をすかれて、ツートンはうっとりとため息をついた。
え?なんで、そこでうっとりしてんだ!?
俺は声もでない。驚きすぎて。
「よし、合格」
何が?
おい、なんなんだ、マジで?
「今度、その髪、洗髪させてくれ」
え、変質者?
思うと同時に俺はそいつを殴っていた。
「…ッ…いいパンチ、もってんじゃねぇか…」
や、何か余裕だ腹が立つ、もう一発。
「……む、ねん…」
何が?
とりあえず俺はそいつを放置して、荷物の片付けに向かう。ああ、なんか。もう駄目だ。今日は疲れた。ふとんだけ出して寝るべきだ。驚き疲れた。同室者が変質者だったのがさらに疲れた。でも腹が減った気がする。でも、疲れた。
…寝よう。
色々つかれた。
とりあえず起きたら、友達第一号の同室者の皐に、第一号の名前を聞こう。そうしよう。