まぁ、冗談だったの。
かるーい気持ちだったの。
よくあるでしょ、プレゼントはあ・た・し。とかいうね。ああいうね。
さっちゃんに、今度の試験でオレより一つでもいい点とったら、何かあげるっていったのがきっかけ。
さっちゃん頑張っちゃって、英語と国語。オレよりよくってねぇ。オレは文系より理系だし、さっちゃんは理系より文系…なんだけど。
オレは文系もそれなりにできるわけで。
だから、かるーい気持ちだったの。別にあげるものも普通に用意してたわけで、まぁ、気分だったわけよ。
だから、何くれるかわくわくしているさっちゃんに、オレをあげるねって冗談をいったら本気にされて。
押し倒されてる。
この状況。
いやね、押し倒されてること自体は?よくありますがね?
さっちゃんのやる気ったら。
「こうじ」
ふにゃりと、うっとりと笑うさっちゃんに、弱いのよねぇ。
だって、可愛いから、じゃー頑張るかー…てボディの方が張り切っちゃうのよね。
「さっちゃんつっこみたいの?」
わざと空気をクラッシュする言葉を選ぶ俺に、さっちゃんはかまわず、なんの回答なしで、俺のベルトに手を掛ける。
あーあれえーお代官さまぁーってか。
慣れた手つきでベルト外して、ボタン外してジッパーおろす。あっという間に下着から息子がコンニチハー。
そして、躊躇なく俺の息子を口にぱくりといれる灰谷さん。
さっちゃんは俺の息子をくわえることに慣れている。目の前にあればとりあえず口にするんじゃないかと思うくらい、慣れている。俺をその気にさせる手っ取り早い方法だからだ。
さっちゃんとのセックスは大体、さっちゃんの欲情から始まるものね。
根元を擦りながら口を動かし、舌を絡ませと、もう至れり尽くせり。
もう、さっちゃんどこのヘルスなの!行ったことも使ったこともないけど。
まぁ、至れり尽くせりされちゃったら、やる気になっちゃって仕方ない。若いんだもの。息子もおっきしちゃうに決まってるじゃないの。
俺にとって男か女かはあまり関係ない。お付き合いとなると少々お話は違ってくるかもしれないけど。要は刺激があればいい。
「こう…じ‥っ」
俺のを口にくわえたまま、切なそうな、物欲しそうな顔をするさっちゃん。
「いれる気ないのー?」
さっちゃんは余裕綽々な俺に悔しがったりはしません。今の段階ではそりゃ、余裕綽々な俺、当たり前だもんね。
それに、ねぇ?
いれなきゃ、物欲しくなるくらいさっちゃんを慣らしちゃったしねぇ。
俺をあげるっていっても、さっちゃんにとったら俺の息子の使用許可を得たみたいな形になっちゃうみたいで。
だからね。かるーい気持ちだったの。
さっちゃんにお昼真っから押し倒されて、あれ。貞操の危機かなぁ?というのも怪しくて。
お昼から息子をお食事がわりにつままれて、あらやだ。みたいな。スイッチ入っちゃう!試験後でたまってるし!みたいな。ね?
「じゃあ、自分でご用意できるよねぇ?」
さっちゃんの頭に手をやって、いい子いい子と撫でる。
さっちゃんはやはり躊躇がない。俺から離れ、立ち上がると自らのベルトを外し、スラックスのボタンを外し、ジッパーも外して、下着とスラックスを手が届く範囲で落とせば、あとは足からすとんと落ちる。
今日は指定のカッターの下にゆるいロンティーを来ていたみたいで、スラックスやベルトに邪魔されなくなった裾が、さっちゃんの息子さんを見事に隠す。
でもたっちしてるのはわかる。あらやだやらしい。
俺はその間に起き上がって、ソファに座ってさっちゃんをまつ。
さっちゃんは俺の前に地べたに座って俺の太ももに微妙な角度で頭を預けつつ、やっぱり戸惑いなくソファの下に隠しておいたお道具箱を取り出して、なかからローションも取り出して、片手に適量をとると、ハンドクリームを馴染ませるみたいに指にローションすりつける。
そして指をゆっくり後ろにいれる。はぁ…と、いきをはき俺を見上げるさっちゃんは色っぽい。
さっちゃんのすごいところは、俺の足に頬を預けてるばっかりに指じゃ足りないって、おねだり代わりに頬をすり寄せるとこにある。
髪が汚れても頬が汚れても関係ない。
本当に物欲しそうにねだるように動く。
こんな時だからこそなのか、いつもどおりなのか。さっちゃんは無口で、あえぐことさえ滅多にない。荒くなる息と、詰まる息。たまにうめく。
身体の反応はすごく正直で、行動も素直。すぐ足を開いてくれるし、敏感で、見ただけでわかるくらい。
今もシャツに染みを広げている。
指で中を解しながら腰はゆれるし、たまに俺を見上げるその目が濡れている。
「まだダメ」
お預けすると、たまに不服そうにするから。
俺も意地悪がしたくなる。
「そんな顔して…一回イクまで自分でいじらせるよん?」
必死になって首をふる。
別に難しくもないことだけど、さっちゃんはいつも俺を早く欲しがる。
「仕方ないなぁ今日は、あげちゃったしなぁ」
さっちゃんの汚れた頬を指で拭ったあと、いいよと頷く。
「せっかくだし、お望みの体位でやるよ?」
さっちゃんは大抵のってくる。オレがさせちゃうから、対面座居とか騎乗居が多くなる。さっちゃんご本人も、それが気に入ってるらしい。
けど、お気に入りと気分ってのは別。
とにかく早く欲しいさっちゃんに、オレが焦らすように雰囲気ぶち壊しで言う。
それはいつものことで。さっちゃんは答えないでオレを見上げる。
「あーさっちゃん残念。タイムオーバー」
そういいながら手招きをする。
いつもみたいにオレに正面から近づくさっちゃんの右手を右手でとり、くるっとさっちゃんを反転させる。
ローテーブルに押し倒し、腰を両手であげて、予告なく挿入。
「…ッ…!」
ビクッと身体を固まらせ、静止するさっちゃんは、痛いんだろう。背中に無用な力が入って肩胛骨が動いた。
「顔はこっち向けてくれないのー?」
やっぱり痛いんだろね。余裕綽々だけど、食い込む食い込む。
一生懸命力抜こうとしてるさっちゃん。
まだ最終手段には出てないから、今日はそこまで性急じゃなかったみたい。
手を回して確認すると、さっちゃんのはしっかり勃起したままだった。
オレのリクエストにこたえないまま、さっちゃんが一つ息を吐いた。
確認のためにさわっただけなのに、敏感だこと。
「こ‥う、じ…」
何もしないでいるとじんわりと馴染んできたさっちゃんの中が動きだす。
やわらかく、しかし何もないそこを、ゆっくりゆっくり抜き差しすると、さっちゃんがこちらを振り返る。
目尻に痛みのせいか、もどかしいせいか。たまった涙が落ち切らず、頬の途中にたまる。
「も、っと…」
くれ。
だなんてせがまれても。
俺はゆっくり、さっちゃんの気持ちいいだろう場所をあまり擦らないよう動く。
しつこいほど焦らして焦らして。
こんなに従順で、やれなんて言わなくてもやっちゃうような人を、どうすればいいかわからないくらいよがらせて。
泣きだしても止めてやらない。
それが毎回といっていいほどのパターンなのに、さっちゃんは、誘うことを止めない。求めることを止めない。
そしてさっちゃんは、涙は流すけれど、泣かないし鳴かない。つい、むきになって追い詰めちゃう。
「さっちゃんカライキ好きだもんねぇ?」
ついついいじめちゃう。
本当のところ、どうなんだろね?
何度となく経験し、もうソレなくして満足できなくなっているのか、それとも単純にすっきりいきたいのか。
あんまり、すっきりいかしてあげないし、さっちゃんもそればっかりは答えてくれないからわからない。
あぁ、それとも。
今日は最初からスッキリさせてあげちゃえばいいのかな?
そしたら、物足りない顔する?
欲しがるまで簡単にいかせたら、さっちゃんはあられもなくねだってくれるのかねぇ?