学園にぶち込まれ、メイがEから離れたあと、俺はシマの後ろ黒い手段を使って、メイを調べた。
メイが受験する予定の学校は、俺のぶち込まれた学園だった。
俺は両手をあげて喜んだのだが、そこには、厚くてでかい壁があった。
メイは、あのクソでかくて、笑えてくるほど山奥にある、無駄装飾の学園の高等部に入学することが決まっていたのだ。
俺は、肩を落とした。
学園には残念なルールがある。
不可侵条約といってもいい。
高等部に近づいてはいけない、もしくは、高等部の人気者に近づいてはいけないという生徒間のルールだ。
そんなものにとらわれるほど、俺はこの学園を好いてはいないし、そういったルールに当てはまるほどメイは人気者になったりなんかしないだろう。
しかし、メイは不良だ。
たとえ、高等部でそうではなかったとしても、学園側は昔のことを掘り出して、そう位置づけるだろう。
そうすると、一般家庭の出であるメイは不良の集められたクラスに所属することになる。
この不良クラスと呼ばれるクラスに所属されることが俺にとっては一番厄介だ。
不良というのは縄張り意識の強い連中ばかりなのである。
高等部と中等部にはもちろん、そう、当然のように、縄張りがあるのだ。
それを超えると、当然のように絡まれてしまう。
そう、中等部生のくせに生意気だと。
ただでさえ、土地が余っていて、校舎が違うどころか、共用する場所さえない。グラウンドや講堂、特別教室といったものさえも、別々で、そう、いっそのこと別の学校なのだ。
どうしたって、縄張り意識は強くなる。
俺が中等部で恥ずかしいとしか言い様のない名前で呼ばれていなければ、もっとやりようがあったというのに。
俺はいつも、失敗する。
俺が高等部生に絡まれても、痛い思いをしても、俺にとってはたいしたことではないのだが、ことが大きくなり、両親に話がいくと、また、別の学校にぶち込まれかねない。
そう、今度はちょうどいいからといって、違う高校に行かされかねないのだ。
それだけは嫌である。
せっかく、またメイの近くに行けるチャンスがあるというのに、それをむざむざ捨てたくはない。
「で、どこが一番適当だ?」
「……なんで俺を巻き込む?」
「てめぇくらいしか高等部自由に出入りできる知り合いがいねぇ」
「ああ。孤高の……くるえ…、狂える、狼だっけ?」
今にも吹き出しそうになりながら言ってくる幼馴染のなんと腹のたつことか。
俺だって、そんな恥ずかしい名前で呼ばれたくはない。
「知るかよ」
「ぼっちだもんなぁお前。で、高等部だっけか?ヤンキーどもに見つかっても、平気そうで、かつ、ヤンキーどもに見つからないとこで、田中鳴士に会える可能性があるとこな」
「そう」
幼馴染の中等部生徒会長は、しばらくの間、悩んだふりをした。
性格が悪い。
「チュロス」
だが、正直……
「今、田中鳴士はパシリをやらされていて、ある時間に、うまいことほかのヤンキーどもと競争することなくパンを買いに行く」
チョロい。
「売店か」
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