少しだけ期待していた。
今日こそは何もない、タスクはそんな日を期待していたのだ。
「七月七日は七夕だろ?」
だからといって恋人の住む部屋に笹の葉をガサガサ鳴らして担いでくる男がいるだろうか。
ドアを開けるとすぐ七夕セットを突き出してきた恋人に、タスクはため息を吐く。
「終わった後、そのでけぇ笹はどうする気だ?」
「持ち帰って我が家で焼くか。竹焼きパーティでまた会える! 一挙両得だな」
タスクも恋人と会うことが嫌ではない。
しかし、恋人についてくる突拍子もないイベントごとや夜のイベントに気疲れする。
だからタスクはため息を吐き、渋い顔をした。
「一人で出来ねぇもんなの?」
「何いってくれてんだ? 冷たい恋人だな。アイミスユーってやつだよ」
「あなたがいないと寂しいって?」
タスクが鼻で笑うと、タスクの恋人宗崎アオはふにゃりと笑った。
「一人きりは嫌だったってやつだ」